色は匂へど。

KAT-TUNと亀梨和也と

BANDAGE




東京から遊びに来てくれた友達とみにいきました。それが1回目。

んで、その2日後に一人で2回目を見ました。

私は別に映画通というわけではないけど、映画見たあとは必ずその感想とか書いたりしてます。・・ひそかに^^
だから、そういった映画と同じよーにこの映画の感想を書こうかなと。そういう意味で可愛らしい感想にはならないけど(笑)

この映画を好きかどうかはとりあえず置いておく。しかし2回見たくらいだから……だから、なんなのか(…)

まぁいいや。賛否両論あるみたいだけど、邦画によくあるドラマの最終話みたいな映画よりよっぽどいい。

とにかくくだらない感想が始まります



≪ネタバレあり≫



90年代初頭
「ポップ」なのか「ロック」なのか単なる「歌謡曲」なのかわからないが
まぁとにかく『RANDS』という5人組バンドが存在している
そんなRANDSの歌に共感したアサコ視点で物語が始まる
ブランコに乗って「二十歳の戦争」を口ずさみ、涙を流すアサコ

しかしその目線がずっと続くわけではなく
その後、視点は何度か変わる

さまざまな視点が交差する物語。




テーマ。
バンド、仲間、恋愛、バンドの成功、光と影…ってこう書くとありきたりっぽいけど、こういう定番なら歓迎

この映画が何を伝えたかったのか それはとくに気にならない 
聞いたところで理解できるかもわからないから
しかし思うこと
何がこのバンドを引っ張っていたのか
とびっきりの才能を持ち合わせているわけでもないヴォーカルが率いる(「率いる」ってイメージは違うけど)このバンドを
それは絆なのかな、って。またまた定番な回答だけどそう感じた。

その期間がほんの一瞬だったとしてもね

絆ってのは人と人との、か、音楽、なのかはわからないけど
とは言っても、この話は別に絆あふれる物語ではない
どちらかというと、「このバンドを引っ張っていたものは絆だ」じゃなくて「このバンドを引っ張っているのは過去の栄光なんかではない」が正しい

そんな5人とマネージャー、アサコ、アサコの友達。。。



ナツ。ダメンズだけど音楽は好きらしい
アサコ。歌に共感して泣いちゃうし女友達少なそうな性格してるけど芯はしっかりしてるらしい
ユカリ。「怖そうなお姉さん」(BYナツ)だけど脚は綺麗…じゃなくて、イイ人だし仕事が好きらしい
ユキヤ。何考えてるかわからないけれど客観的評価が高くしかも何気にRANDSが好きらしい
そして宇宙と交信しているらしい
アルミ。ユカリに劣らずコワイおねーさんだけど音楽に対していつも真っすぐらしい
リュージ。「ドラムがたたければそれでいい」
ケンジ。腹筋キャラ
ミハル。たまに妙なおじいちゃんみたいなキャラを出すけど歌がうまいらしい


キャラが良いね
やはり岩井さんだ
とくに、いつもそうだけど女性陣。常連の伊藤歩(ユカリさん)はさすがの演技力でした
伊藤歩好きだ!
(あと映画の中での服ね!もろタイプ)

だけど金子サンはもったいない気がする
「プッシュ」とは違うがきちんとキャラを作ってほしかった
いや、でも快楽主義者っぽいとこはなんとなーーく伝わるからギリギリオッケーだけどね
そして彼はとにかくドラムがすごい。本物だから当たり前かもだけど
だからリュージの場合その「ドラム」だけで魅せてきた、と思えば納得いく

アルミはすごくいい
最初の1分でキャラは確立する
まぁそれ以上の深みは出てきていないかもしれないけど、それでも浅くはなっていないからいい
「元気」のアレンジを電話で伝えるときのアルミにはなんか笑ってしまうが
よくわからない専門用語をこれでもか!と出し、一般ピーポーの私は置いてけぼり
しまいにはバーバーババッババーって
でもなんか中毒性があるなこのシーン
「早くそのバーバーババッババーを曲にして!!」って気持ちにさせてくれるから
(実際その直後その曲が聴ける。ナツの意志なくして作られた曲が)


アサコのキャラもいい
しかしナツがそのアサコのどこに惚れたのかがわからない
アサコはナツを「自分と似ている」という
じゃあナツも自分と似ているアサコが好きだったのか
うじうじして、薄っぺらで、怖がりな自分と
少なくともそういった部分を持つ(という)アサコは出ていなかった
まぁそれは”単にアサコがそう感じていること”として解釈すればいいということでしょう
…と、思うようにしている
どう映ろうと、「アサコはナツの歌を聞いたとき、ナツと似ていると感じた。だから泣いた」のです。

無意識に納得させる映画をつくることは難しい。



単純に見ていておもしろかったのは、「元気」という曲が売れていくところ。
映画全体は違うけどここはジェットコースター的な要素があっておもしろい。
見ている人…というか私をワクワクさせてくれるものがあったな、あそこには。

で、もちろん上りつめたまま終わりなわけはなく。
何かを得る一方で別の何かを失う、っていう 当たり前でよくあることだけれど確かにここではそれが哀しく描かれていた。


哀しくなったのはナツが鏡の自分に向って「誰だお前」というシーンか?
それもそうだけど、私が哀しくなったのは「元気」が売れて、RANDSという名前が売れて、車からメンバーがひとりずつ出てくるとこ
そこに待つファンたち
最後に出てきたユキヤへの歓声が異常に大きい。ボーカルのはずのナツよりも
いや、でもそこまではまだいい

そこから、はじまる

ナツの哀しい物語



ナツ。
RANDSのヴォーカル
RANDSのリーダー
曲づくりに「どっちでもいい」という作詞・作曲者

「うじうじして」
「薄っぺらで」
「怖がり」
なリーダー

自分のことを才能がないという
「自分が嫌いになってきた」という

最初はチャラチャラした雰囲気漂わせて
実際おちゃらけで
思わず笑っちゃう可愛い部分を持ち合わせている
その時のナツはまだ何も知らない
売れてから知る虚しさも
売れているのに感じる虚しさも
世間と自分のギャップを
「いつも歌いたい歌を歌えるわけでもない」ということを

その姿は痛々しく、それでも自然にその姿を受け入れている自分がいる

ナツ。
あまりにも不器用な男

きっと何年たっても変われないものがあるとしたら、それはなんだったのか
好きだった女性を手放し、その代わりに得たものはあったのか

最後のナツが歌っている姿は
温かい照明に照らされていて、とても綺麗だった
やはり儚いのだけれど、とても穏やかだった



そしてエンドロールで流れた『BANDAGE』


きっとメロディや言葉で
見たこともない塊を作る
硬くて柔らかい
機械のようで 愛のようで
冷たく光る太陽だ


あー"音楽”っていいな、って単純に思った
もしかしてこれが一番の収穫だったのか



そしてナツがもう一回しまってた羽伸ばしてたらいいな、なんて



・・・感想になってないね
いつもみたく書けなかった
この映画けっこう好きだよ(最後に言うか)

玉虫色なんだってさ

いろんな見方で感想は変わると思う




赤西さんそして他のみなさま 素敵な映画をありがとう。