たったひとつの恋 第9話「きっとまた会える」
「きっとまた会える」
終わりもあるのに、始まりもみえた。
亀ちゃんのナレーションがとにかく良かった!ずっと聞いていたいと思った。
分量的には多かったけれど、つめてつめて、あの量なんじゃないかな。難しい言葉でつめているわけでもないのに、弘人の気持ちはすべてつまっているような。今までみたく小説のなかのような綺麗な言葉たち、ではなかったかもしれないけれど、流れがすごく綺麗だったな。浸った。
***
弘人は、いろんなものを抱きしめる。抱きしめようとする。
でも、守りたい人すべてを守るにはまだ若すぎた。どうしようもなく、ハタチだった。
「家、出てきたの。家、捨ててきた」
「あなたが大事よ、なによりも誰よりも」
「一緒に居たい、ずっと」
「三日後、窓の外見ながら、きっと泣くよ。菜緒は泣くだろ」
「俺にはさ、そんな菜緒どうすることもできないんだ」
「大人だね、冷静だね」
「大人になれよ、冷静になれよ」
“大人”、冷静に考えられることが大人だとは思わない。どちらが大人かなんてそんなことない。
このときも、二人とも“どうしようもなくハタチ”なんじゃないかな。
「私のために何かを捨ててよ!」
「あなたの大切なもの、一つ捨てるくらいあたしにしてよ!」
この言葉を聞いたときの、弘人の表情が切なすぎる。
“君の言葉の切れ端が、心にささる、痛い”
痛いよね、ものすごく、だって菜緒も大事な一人なんだもん。
「俺は捨てれない、捨てれない」
「弟も…母親も…捨てられない」
弘人は捨てられない、お父さんを亡くし、失う怖さを知っている弘人はたとえ大事な菜緒のためでも、捨てられない。弘人は家族を守る人だから。
お母さんの、優しくて温かい言葉で、目を潤ませる菜緒。
菜緒も、菜緒だって、捨てられないんじゃないかな。
「3日後、菜緒は泣くよ」
菜緒は、泣くから。電話切ったあとも泣いているから。
「ごめん、ほんと私、中学生みたい」
さっきはあんな言葉投げつけたけど、菜緒はやっぱいい子だな、ってここで思いました。
それを見て少しだけ、表情が変わる弘人。
弘人も、菜緒もわかったんだと思う。
お互い、捨てられないでしょ、って。
これでわかったでしょ、って。
でもその事実はあまりにも悲しい決断へと繋がるんだよね。
「俺たちはさ、それぞれの場所に帰るんだよ」
「それってさよならする、ってこと?だよね?」
「……ああ、」
「泣くなよ、切なくなるじゃんかよ。こっちだって泣きてえんだから」
そういいながら、すでに涙を流して。
菜緒は声を出して泣いて。
お互い、涙を流しながら、手を繋ぎながらのさよなら。
こんな悲しくて切ない別れってある??
「ねえ、ひとつだけさ、お願いごとしてもいい?」
「菜緒がちゃんと元気で生きてるかどうかさ、心配だからさ…
三年だけ、俺にあのオレンジのイガイガ振ってくんないかな?」
オレンジに託す気持ち。一年に一回だけ、それも三年でいいから、って。涙
それが最後の、たったひとつの願いごと。
「私、弘人の手好き。いつも握り締めてほしいときはギュ、っとしてくれて」
菜緒のことを可愛い、と言う弘人。弘人の手が好き、と言う菜緒。
お互い一生分言いたいんだよね、最後だから、もう言えなくなってしまうんだもん。
僕たちは、長い長い残りの人生の
その中の15分だけ、手を繋ぐ
こうして、僕のハタチの恋は終わったんだ
今も鮮やかに、よみがえる、恋
あの船の上で、本当は、僕はこういえばよかったんだ
時間をかけて、整えようよ お互いの立場を
菜緒だって大学を卒業して、僕だって工場を起動させて
そしたら、僕たちをとりまく環境も、
変わってくるかもしれないだろ?
だけど…、あのとき、あの船の上で、
あの強い瞳のまえで僕は黙った
君の瞳は時間の猶予なんて許さなかった
もうここで応えてもらわないと この気持ちは死んじゃう
という勢いだった
あのときに菜緒の瞳は、弘人にはこう映っていたんだ。
菜緒は白か、黒か、の決断を待っていたんだ。
“環境も変わってくるかもしれないだろう?”
こうやって、弘人が環境のことについてストレートに言ったのって初で。それがすっごい胸にキタ。ああ、やっぱり環境のことを思ってたのか、って。
そんなのわかってたし、今までみてきて当たり前なことなのに、弘人の口からその言葉が出るのがすごく切なかった。
環境が変わったら、うまくいくかもしれないだろ、ってことなんだよね。いまさらながらとりまく環境が憎いよ。
「なんで別れたんだよ。なんで諦めたんだよ!」
「お前はそうやって自分を追い詰めるなよ、自分ばっか大人になりやがって。そんなんじゃなかったじゃねえかよ!子供のころはそんなんじゃなかったじゃねえかよ!」
「自分に自信もてよ!自分の人生生きろよ、犠牲になるなよ頼むよ!」
また“大人”って。そうだ、前にもアユタは同じようなこと言ってた。
「アイツばっかり急いで大人になっていったんだ」って。
アユタの熱い思いが伝わってきて、泣けた。
これは周りから見ると諦めた、ってことになっちゃうのかな。
もうその決断しか残されていないような流れだと私は思った、8話くらいから。
アユタが菜緒を好きだったことには まるで気づいていなくて
こういっちゃなんだけど、……笑った
そのときの俺らの喧嘩は、三年ぶりくらいの喧嘩で
なかなか激しかった
けど、俺らの喧嘩は 子供のころから 三日ともたない
あの喧嘩も、今となってはいい思い出だ
そういえば 釣りも行かなくなったなあ
ここのシーン、最初は眉に皺寄せてみていたけれど、アユタのとび蹴りが綺麗にヒットしてから(笑)ん??ってなっちゃって。笑
甲の呆れた表情見て、あ、ここは笑っていいのかなって思った。
だって、殴るってよりまさに取っ組み合い。笑
見てくれは全然綺麗じゃないの。アユタのとび蹴りだけでなく、弘人もアユタのこと蹴っちゃって。この蹴り方すごいよ、野生的で、すごく好き。
喧嘩が終わったあと、甲が真ん中に倒れこんで「終わった?終わった?」って言うのもすごく可愛くて、いいシーンだったなあ。
でもアユタがあんな必死に諦めるな!って言って、そのあと喧嘩で納まっちゃって、それはすごくよかったけれど、本当に恋の終わりを突き付けられて悲しかった。
オレンジの、あのオレンジのイガイガは
クリスマスイブに2年ほど光った
俺ももちろん、懐中電灯をふった 横浜中を照らす勢いで
3年目、オレンジは光らなかった
僕は 光を見つけることができなかった 真っ暗だった
僕の心も真っ暗になった
僕は彼女が死んだとは思えず、僕を忘れたんだ、って思った
なぜか、何の迷いもなく、そう確信した
死んだのは彼女ではなく、彼女の心の中の………僕だ
君を連れて逃げる、なんてこともできたのかもしれない
でも、…できなかった
しょせん、ハタチだった
僕たちは、優しすぎて、幼すぎて
どうしようもなく、ハタチだった
こうして僕の、ハタチのころの恋は終わっていった
それにしても、あのころ……
ねえ、僕は、君をちゃんと愛せてたかな
横浜中を照らす勢いで振ったんだね。たった一年に一度きりだけど、それでもその日は横浜中を照らす勢いで、心をこめて振ったんだ。
“死んだのは…彼女ではなく、彼女の心のなかの僕だ”
これを聞いて、弘人はただ菜緒病気のことを知りたいためだけに、お願いしたのではなかったのかもしれないと思った。
そして、弘人も。
オレンジのイガイガを振ってもらって、振ってもらうだけでなく、自分も横浜中を照らす勢いで、振ったんでしょ。それは自分の心を菜緒に示しているのかもしれないと思った。
菜緒が好きだよ、菜緒のことを思ってるよ、そうやって示せる唯一の瞬間。
でも三年目、オレンジは光らなかった。
真っ暗になった。死んだ、のではなく、唯一の光を、菜緒の心をあらわす唯一の光を、弘人は見れなかったんだ。
希望を失った瞬間だったんだ。
……なんていうか、“待つ”という行為は乙女ですよ、女性的ですよ。
菜緒もこの一年に一度の日を心待ちにしていたかどうかが、気になります。
“僕の心も真っ暗だった”
ストレートだな、なんでそんなにストレートなんだ。涙
弘人の心、そのまま聞かされてさ、切ないよ。
***
そして、三年後・・・
弘人の、亀ちゃんのビジュアルが神がかっていると思う!!!!!(いきなり)
ものすごくカッコイイ!!黒髪最高!!
そして甲の結婚相手は誰なんだ!!誰だ!!ユウコちゃんの次がその彼女なのか!!
なんでその子にしたのか!!「甲ーーっ」と呼ぶ、すこし太い声が気になる!!
一気にテンション上がりました。(黒髪短髪スーツのせい)(萌え三大要素)
港をバックに、柱によりかかって、煙草を吸う弘人。ちょっとちょっと、かっこよすぎじゃありませんか。
そして、その向かい先には、菜緒の姿が。
三年ぶり。三年ぶりの再会。
「びっくりした」
「結婚式、だったんだ。いや、あ…甲の」
「結婚すんだ?」
「うん、まだわからないけど」
「…そ、」
「あ、俺、あ、アユタたち待ってるからさ、いくわ」
「あ、みんなによろしく言っとくね、ね」
俺は今、世界一かっこわりぃぞ
正体なく飲んで頭が痛くて、…吐いた
神様、いくつになったら人は大人になれるんだ
教えてくれ
いくつになったら俺は何かに傷ついたり、へこんだり、
あがいたりしなくなるんだ
あの船の上でお別れしてから、三年。その時間を思わせない雰囲気。でもちょっと、戸惑っているような弘人が新鮮で可愛い。いや、酔い潰れる弘人は可愛すぎる。
菜緒の薬指の指輪を見たときの、弘人の表情。悲しそうな顔をしていた。一方で菜緒は、驚きはあるものの、指輪を見られて動揺はしたものの、弘人の気持ちとズレを感じたな。
なんていうか、弘人の方だけが、引きずっているな、と。
(菜緒は、今、幸せなのかな)
もう、終わったものとしてみているような。イガイガをふるのも、過去のこと懐かしむような感じで振って。
でも!!懐中電灯の光を見つけて、菜緒は走った。靴脱げても全力で走って、弘人のところへと走った。
弘人を求めて走ったの??
「何してんの?」
「そっちこそ、なんでいるの」
***
最終回予告、弘人も走ってるよーーーーーー!
「菜緒!」って言ってるよーーーーーーーーー!
なになに、なにが起きるの。いや、考えてもわからない。
環境は変わったよ。少しかもしれないけど、整ったんじゃないかな。
でも環境は確かに変わったけど、菜緒は新たなページに踏み出そうとしているし。
お互いの気持ちは?弘人はわかるけど、菜緒がわからない。三年ぶりの再会したのに、あの反応からは、ずっとひきずってた感は読めない。本当に白か黒なんだな。三年前、船の上で決断を迫って、応えられたときに、もうケジメつけたのかな。
そしたら、弘人が待ってたイブの日が悲しすぎるじゃんかあああああ!(逆戻り)
というか、完璧弘人の方が乙女じゃないかああああ!(それはうすうす気付いてた)
今回の自分的ポイントは亀ちゃんのナレーション語りかな。
絶妙です。弱くもなく、丁寧に語るのに芯がある。ずーーっと聞いていたいなあ。
そして、映像的萌えポイントは酔っ払って、乱れているシーンですね!なにその艶!
色っぽいーーーーーーー!!!!(大興奮)
亀ちゃんは酔ったらどうなるんだろ、なんてヘンな妄想しちゃいましたすみません。
ストーリーに集中するんだけど、うっかりそういうシーンがあるもんで忙しいです。
次回、バイト休んで、テレビの前で正座して待ちたい気分。あと一話って悲しいなあ。
こんなにのめり込んだの初めてなので。
今までどおり、予告には目を背けて心待ちにしたいと思います。